しろくま電力(ぱわー)は、基本料金0円・電力量料金は使用量によらず一律単価という、シンプルな料金設計が特徴の新電力です。
運営するのは、再生可能エネルギー事業を手がけるしろくま電力株式会社(旧afterFIT)。太陽光発電所の開発から電力小売までを一貫して手がけ、供給する電気は再エネ指定非化石証書の活用により実質再生可能エネルギー100%・実質CO2排出量ゼロとされています。
電気の品質や供給の安定性は、従来の電力会社と変わりません。「グリーンな電気を、大手より安く」を打ち出しているのがこのサービスの魅力です。
ここでは、しろくま電力(ぱわー)の家庭向けプラン「しろくまプランZERO」の料金体系・メリット・デメリット・申し込み方法まで、わかりやすくまとめました。
しろくま電力(ぱわー)の基本情報
しろくま電力(ぱわー)は、しろくま電力株式会社が提供する家庭・小規模法人向けの電力サービスです。沖縄と一部離島を除く全国エリアに対応しています。
| 会社名 | しろくま電力株式会社(旧・株式会社afterFIT) |
|---|---|
| 家庭向けプラン | しろくまプランZERO(従量電灯A/B/C・従量電灯実量制・低圧電力) |
| 料金の特徴 | 基本料金・最低料金0円、電力量料金は使用量によらず一律単価 |
| 環境価値 | 再エネ指定非化石証書の活用により実質再エネ100%・実質CO2排出量ゼロ※ |
| 対象エリア | 全国(沖縄電力エリア・一部離島を除く) |
| 契約期間・解約金 | 契約期間の縛りなし・解約金なし |
※再エネ指定非化石証書の調達状況によっては、調整後のCO2排出量がゼロとならない場合があります。
※上記は2026年8月18日時点の情報です。最新の条件は必ず公式サイトおよび重要事項説明書でご確認ください。
電気料金の仕組み
しろくまプランZEROの電気料金は、以下の要素で構成されています。
電気料金 = 基本料金(0円)+ 電力量料金 + 電源調達調整費 + 再エネ賦課金
基本料金(関西・中国・四国エリアは最低料金)が0円のため、毎月の請求の中心は「電力量料金」です。単価は使用量によらず一律で、大手電力会社の従量電灯のような3段階制ではありません。
注意すべきは電源調達調整費の存在です。大手電力会社の燃料費調整額の代わりに、JEPX(日本卸電力取引所)のスポット市場価格に連動する独自の調整費が毎月加算(または減算)されます。つまり、しろくまプランZEROは実質的に市場連動の性質を持つプランであり、料金表の単価だけで最終的な電気代は判断できません。詳しくは後述します。
電気料金プラン
しろくまプランZERO
電力エリアを選択してください
しろくまプランZERO(従量電灯B)
| 区分 | 単位 | 料金(税込) |
|---|---|---|
| 基本料金 | 1契約あたり(10A〜60A共通) | 0円 |
| 電力量料金 | 1kWhあたり(使用量によらず一律) | 32.30円 |
料金表の注意点
- 上記は従量電灯B(関西・中国・四国は従量電灯A)の単価です。従量電灯C・従量電灯実量制も同じ一律単価が適用されます(基本料金はいずれも0円)
- 低圧電力(動力)は基本料金あり(例:東京エリア 800円/kW+20.00円/kWh)。詳細は電気料金種別定義書をご確認ください
- 上記単価に加えて、毎月電源調達調整費と再エネ賦課金(2026年度 4.18円/kWh)がかかります
- 月間使用量が一定基準を下回る場合(例:従量電灯B 30A契約で月100kWh未満)、単価の改定または契約解除の対象となることが定義書に明記されています
※出典:しろくま電力株式会社「電気料金種別定義書(低圧)【しろくまプランZERO】」「重要事項説明書(低圧)【しろくまプランZERO】」(いずれも2025年6月1日実施、2026年8月18日確認)。
電源調達調整費(独自の市場連動調整)
しろくまプランZEROには燃料費調整額がなく、代わりに電源調達調整費が毎月かかります。単価は次の式で算定されます。
電源調達調整費単価 ={(前月のエリアスポット価格平均値 × 1.20)− 調整基準単価}÷(1 − 損失率)× 1.1
エリアスポット価格とは、JEPX(日本卸電力取引所)のスポット市場価格のこと。前月1ヶ月の平均値に係数1.20を掛け、エリアごとの調整基準単価(東京10.10円、関西7.90円、北海道12.40円など)を差し引いた金額が調整費になります。算定結果がマイナスになった場合は0円となり、電気代から差し引かれることはありません。
料金高騰準備金と料金高騰還付金
「マイナス分が還元されないなら損では?」と思うかもしれませんが、ここに独自の仕組みがあります。マイナス分は「料金高騰準備金」として積み立てられ、エリアスポット価格の月平均が20円/kWh以上に高騰した月に、「料金高騰還付金」として電気代から割り引かれます(還付係数0.5)。
市場価格が安い時期の余剰を貯めておき、高騰時の負担増を和らげる——市場連動型プランの弱点である「高騰リスク」に備えた設計です。ただし、スポット平均が30円/kWhを超えた場合は、その月の電源調達調整費が3ヶ月に分割して請求されます(途中解約時は残額を一括請求)。
国の「電気・ガス料金支援」について
国の電気・ガス料金支援(2026年8月分〜10月分:低圧 8月3.5円/kWh・9月4.5円/kWh・10月3.5円/kWhの値引き)は、小売電気事業者を通じて適用される制度です。しろくま電力での適用状況・反映方法は、マイページまたは公式サイトのお知らせでご確認ください。制度の詳細は資源エネルギー庁「電気・ガス料金支援」特設サイトをご覧ください。
メリット・デメリット
メリット
① 基本料金・最低料金が0円
契約アンペアに応じた固定費がかからないため、「使った分だけ支払う」シンプルな料金体系です。使用量が少ない月や、長期不在で電気をほとんど使わない月の無駄がありません。
② 一律単価で、電気を多く使う世帯ほど割安
大手電力会社の従量電灯は使うほど単価が上がる3段階制ですが、しろくまプランZEROは何kWh使っても同じ単価です。単価は全エリアで大手の3段階目(使用量が多い部分)を下回る水準のため、使用量が多いファミリー世帯ほどメリットが出やすい設計です。ただし単価差はエリアにより大きく異なるため(東京・関西では2段階目も下回る一方、中部・九州では3段階目のみ下回る水準)、実際の損得は電源調達調整費込みでの試算が必要です。
③ 実質再エネ100%・実質CO2排出量ゼロ
再エネ指定非化石証書の活用により、供給される電気は実質的に再生可能エネルギー100%とされています。追加費用なしでグリーンな電気を選べるのは大きな魅力です。
④ 市場高騰に備えた「料金高騰準備金」の仕組み
市場価格が安い時期の調整費マイナス分を積み立て、高騰時に還付する独自の仕組みがあります。市場連動の恩恵を受けつつ、急騰リスクを一定程度緩和できる設計です。
⑤ 契約期間の縛り・解約金なし
いつでも解約でき、解約金もかかりません。「まず試してみる」ハードルが低い電力会社です。
デメリット
① 電源調達調整費が市場連動で、上限がない
電源調達調整費はJEPXスポット価格に連動して毎月変動し、上限は設定されていません。市場価格が高騰した場合、大手電力会社の規制料金(上限あり)より電気代が高くなる可能性があります。準備金による還付はあくまで積立残高の範囲内です。
② 使用量が少ないと単価改定・契約解除の対象になりうる
月間使用量が基準値(従量電灯B 30A契約で100kWh、40Aで130kWhなど)を下回る場合、単価の改定または契約解除ができる旨が電気料金種別定義書に明記されています。一人暮らしなど使用量が少ない方は注意が必要です。
③ オール電化向けの専用プランがない
オール電化住宅でも申し込めますが、夜間割安の時間帯別プランは提供されていません。現在オール電化プランを契約中の方は、切り替えでかえって高くなる可能性があります。
④ セット割・ポイント還元などの付帯サービスがない
ガスセット割やポイント還元はありません。料金と環境価値で勝負するシンプルなサービスです。
⑤ 支払いは原則クレジットカード・紙の請求書なし
支払いはクレジットカード払いが基本で、請求書は原則Web上のマイページでの確認となります。紙の請求書や口座振替を希望する方には不向きです。
推しでんき視点の評価
推しでんき独自の視点で、しろくま電力(ぱわー)を3つの軸で評価しました。
| 節約推し | ★★★★☆ |
| 環境推し | ★★★★★ |
| 社会貢献 | ★★★☆☆ |
節約推し:★★★★☆ 基本料金0円+一律単価は、特に使用量の多い世帯で効果的です。ただし電源調達調整費が市場連動で変動するため、「料金表どおりの安さ」が常に実現するわけではありません。JEPX価格が落ち着いている時期は大手より安く、高騰期は差が縮まる(または逆転する)と理解しておきましょう。
環境推し:★★★★★ 実質再エネ100%・実質CO2排出量ゼロを追加費用なしで選べるのは高評価です。太陽光発電所の開発を自社で手がける「つくる側」の電力会社である点も、環境重視派には推せるポイントです。
社会貢献:★★★☆☆ 再エネの普及・拡大に直接つながる事業構造(発電所開発〜小売の一貫体制)は、電気の選択を通じた脱炭素への参加といえます。ポイント還元的な還元策はない分、この軸は環境価値との重なりでの評価です。
しろくま電力の申し込み方法
・公式サイトにアクセスして、サービスを確認
※公式サイトは下のボタンからアクセスできます
申し込み前に、以下の書類を必ず確認してください。
- 電気料金種別定義書(料金単価・電源調達調整費の算定方法)
- 電気需給契約に関する重要事項説明書
- 電力需給約款
・検針票などで22桁の供給地点特定番号とお客さま番号を用意し、Webフォームから申し込み
・切り替えの場合、現在の電力会社の解約手続きは不要(しろくま電力が代行)
・次回検針日から供給開始(引越し先での新規契約にも対応)
しろくま電力のよくある質問(Q&A)
しろくま電力株式会社が提供する他のサービス
しろくま電力株式会社は、家庭向けプラン以外にも以下のサービスを提供しています。
法人向け電力プラン 高圧・特別高圧を中心に、市場連動型・固定単価型・ミックス型など複数のプランを提供しています。実質再エネ100%を基本に、再エネ比率の調整にも対応しています。
ソーラーカーポート・太陽光発電(PPA) 初期費用を抑えた太陽光発電設備の導入サービスを展開しています。自家消費による電気代削減と脱炭素を同時に進められます。
系統用蓄電池 系統用蓄電池の開発・運用事業を手がけており、導入事例も公開されています。
しろくまDR(節電プログラム) 夏季・冬季に実施される節電プログラムです。指定時間帯の節電に成功すると電気料金から割引が受けられます。
※各サービスの詳細・最新情報は、しろくま電力の公式サイトでご確認ください。
まとめ
しろくま電力(ぱわー)は、「基本料金0円+一律単価」というわかりやすさと、実質再エネ100%という環境価値を両立した新電力です。使用量の多い世帯ほど単価面のメリットが出やすく、環境に配慮した電気を選びたい方にも適しています。
一方で、電源調達調整費はJEPXスポット価格に連動するため、実質的には市場連動型プランの性質を持ちます。料金高騰準備金という緩和の仕組みはあるものの、市場高騰期には電気代が上がるリスクがあることは理解しておきましょう。
申し込み前には、公式サイトで最新の単価と電源調達調整費の推移を確認し、ご自身の使用量で試算した上で判断することをおすすめします。
しろくま電力の会社情報
| 会社名 | しろくま電力株式会社(旧・株式会社afterFIT) |
|---|---|
| 所在地 | 東京都港区芝大門二丁目4番6号 豊国ビル |
| 代表者 | 代表取締役 谷本 貫造 |
| 小売電気事業者 登録番号 | A0720 |
| 事業内容 | 電力小売事業、太陽光・風力等の再生可能エネルギー発電事業、系統用蓄電池事業ほか |
| 公式サイト | https://shirokumapower.com/ |
※会社情報はしろくま電力株式会社の重要事項説明書・公式サイト(2026年8月18日確認)に基づきます。最新情報は公式サイトでご確認ください。
